注目の論文

崖っぷちのネットワーク

Nature Physics

2013年8月26日

Networks on the edge

大陸内の電力網は、突発故障に対してこれまで考えられていたよりずっと脆弱であるという解析結果が、今週のオンライン版で報告される。

ネットワークは、個々のユニットが接続され相互依存するシステムで、ネットワーク同士が接続されることも多い。これまでのシミュレーションでは、こうした「ネットワークのネットワーク」は、ある臨界点未満で動作している限り故障に対して強いと示唆されている。そうでなければ、1つの構成要素の故障が残りの部分の崩壊を招きかねない。しかし、こうした研究は、サブネットワークがランダムに配置されていると仮定していた。現実の世界では、山脈、海岸線、輸送インフラによって、ノードの配置に地理的な制約が課せられるため、この単純化した見方は損なわれており、サブネットワークはより構造化されている。A BashanとS Havlinたちは今回、現実的なシステムには、決定的に重要ではない安全な領域は存在せず、ネットワークのネットワークは常に極めて脆弱であることを示している。さらに、今回の結果は、ある種の通信ネットワークやコンピューターネットワークにも適用できる可能性があると示唆している。

doi: 10.1038/nphys2727

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