注目の論文
URu2Si2の重い電子
Nature Physics
2009年7月27日
Light on heavy electrons
超伝導体URu2Si2におけるいわゆる「隠れた秩序」相への転移の背後にある重い電子の存在が、光子によって明らかになった、とNature Physics(電子版)に報告される。隠れた秩序相の微視的な性質はまだわかっていないが、この実験結果は、今後この謎を調べるのに役立つだろう。
ほぼ25年の間、URu2Si2の低温相は謎であった。ほかのウラン系超伝導体の多くには重い電子があるが、URu2Si2には、重い電子の直接証拠は何もなかった。Santander-Syroたちは、分光学的手法を用いて、URu2Si2に重い電子が存在し、隠れた秩序状態の変化に関与していることを明らかにした。
この相変化が起こる点では、電子の詰まった状態と詰まっていない状態を分け、特定の固体の性質を決めるフェルミ面が不安定になる。Santander-Syroたちは、この転移点より上で重い電子状態のバンドを発見した。さらに、このバンドは隠れた秩序状態に入り込み、電子の励起エネルギーにギャップが生じる。隠れた秩序に関するどの理論でも、このような種類のふるまいは予測されていない。
doi: 10.1038/nphys1361
注目の論文
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
3月21日
環境:AIで洪水予報を改善するNature
-
3月20日
人工知能:AIを活用したサッカー戦術の向上Nature Communications
-
3月13日
技術:発話を補助する新しいシステムNature Communications
-
3月7日
惑星科学:木星のジェットが木星の内部を解明するための貴重な知見をもたらすNature