注目の論文
【物理】磁場が通り抜けるワームホール
Scientific Reports
2015年8月20日
Physics: A magnetic wormhole
ある地点の磁場を磁気的に検出できない経路によって別の地点に移動させる球形のワームホールが構築され、実証されたという報告が、今週掲載される。
ワームホールとは、時空の2つの離れた領域を結ぶ仮説上の通路をいう。これまでに電磁波のためのワームホール、つまり、三次元空間の2つの地点を結ぶ透明のトンネルに電磁波を伝播させるための理論的設計が提案されていた。
今回、Alvaro Sanchezたちは、この理論的設計から着想を得て、磁場のための球形ワームホールを構築した。その際に用いられたのが磁性を有するメタマテリアルとメタ表面(自然に存在しない特性を有するように設計された材料と表面)だ。Sanchezたちは、このワームホールの一方に置かれた磁場源から発生した磁場がワームホールに入った後、もう一方から単極磁場に類似した孤立した磁場として出現し、磁場が突然現れたかのような感じを受けることを実証した。Sanchezたちは、このワームホールが磁気的に透明な状態を保ったままで、その内部を磁力線が通過するという考え方を示した上で、今回の研究を磁気共鳴画像化(MRI)など磁気が関係する医療技術に応用できる可能性があるという見解を示している。
doi: 10.1038/srep12488
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