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世界を見尽くす理論の発見
― 応用数学史上の未解決問題である波動散乱逆問題を世界で初めて解析的に解くことに成功 ―

株式会社Integral Geometry Scienceの木村建次郎博士、木村憲明博士は、応用数学上の未解決問題である波動散乱逆問題を解析的に解くことに成功し、多重経路散乱場理論の確立に成功した。

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木村建次郎博士は、波動散乱逆問題を解析的に解くことに成功し、イメージングの新たな可能性を生み出した。

©NHK Science ZERO

X線Computed Tomographyの原点となったレントゲンの発明から100年を経て、透視技術は医療、非破壊検査、防犯セキュリティ等、幅広く社会に浸透している。CTでは、興味ある対象物に、直線的に波動が伝わることが大前提となっており、透過性の高い、X線、ガンマ線等が使用される。そのため、測定対象物の繊細な構造の違いを撮影することは原理的に適さない。透過性が低く、散乱性の高い、低エネルギーの波動では、測定対象物の繊細な構造の違いに反応するが、直線的な“透過”を前提としたCTの数理であるラドン変換を用いることはできない。複雑な波動の散乱現象を、新規の数学的理論を用いて統一的に記述し、散乱体の構造を導く問題を考える。

従来のX線マンモグラフィ画像。腫瘍組織と健康な組織の識別は難しい。

この問題は、応用数学上の未解決問題、波動散乱の逆問題として知られ、有効な解析法が導き出されておらず、莫大な計算コストを費やす方法に頼らざるをえないとされてきた。超高速計算機を用いて、モデルアンドフィッティングを収束するまで何回も反復して行い、求解しようとする方法が、多くの研究グループによって検討されているが、莫大な計算コストを要するだけでなく、不幸にして初期モデルが真の解から“近くない”場合、収束は全く保証されない。測定対象には多様な複雑さが存在するので、今後いかに高速の計算機が開発されていたとしても、この方法論の延長線上に“解決策”は存在しない。Wilhelm Conrad Röntgen(ノーベル物理学賞1901年、エックス線の発見)、Godfrey Hounsfield, Allan McLeod Cormack(ノーベル生理学・医学賞1979年、X線CTの発明)、Michel Matthew Ter-Pogossian(ガードナー国際賞1993年、PETの発明)などに象徴される過去100年間の“みえないものをみる”数理と方法論を、新たな次のステージに導くために、物体と波動が引き起こす複雑な散乱現象を、より上位の数理物理学的な概念を用いて整理し、散乱体の構造を導く新しい数理が求められていた。

木村建次郎博士、木村憲明博士は、2012年に多重経路散乱場理論を確立し、“波動散乱の逆問題”を世界で初めて解析的に解くことに成功した。本理論では、物体表面での散乱波動の観測結果を境界条件として、「木村らが導き出した散乱場の基礎方程式」を解析的に解くことによって、多次元空間内で定義される領域の散乱場の構造を導き、時間と空間の極限操作によって散乱体の構造を完全に決定する。

上の画像と同じ患者のマイクロ波マンモグラフィ画像。右の乳房において腫瘍がはっきり確認できる。

この進展は、領域内のあらゆる点で焦点を結ぶ、たとえ物体の陰になったとしても焦点を結ぶ数学的な仮想レンズに相当し、実在レンズで光を集光することができない、物体の奥の領域に、数学的に焦点を合わせることが可能になる。さらに、“興味ある測定対象”と、“それ以外の媒質の領域”の双方の物性を考慮し、エネルギー的に最も識別に適した波動を選定することができるようになる。例えば、医療画像診断では、高エネルギー線では識別困難な正常組織と異常組織が、超ハイコントラストで立体映像化(第一回日本医療研究開発大賞 日本医療研究開発機構理事長賞. 2017. “次世代乳癌スクリーニングのためのマイクロ波散乱場断層イメージングシステムの開発”)されるようになり、より客観的な画像認識、精密なAI判定が実現されるようになる。また、非破壊検査の分野では、これまで検出不可能であった、コンクリート構造物内部の鉄筋異常や欠陥などが早期発見され、地震時における倒壊を未然に防ぐことが可能となる。さらに、自動運転分野では、雨天でも、可視光では見えない前方の人、障害物の3次元的な構造と位置を正確に捉えるようになる。本研究テーマの先には、基礎科学分野の深化、医療、工業分野の高度化が著しく進展し、我々の世界観を大きく変えることに繋がるであろう。

原文:Discovering a theory to visualize the world

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