Editorials
オバマ米大統領が再選した場合には、重要課題として気候変動問題に取り組むべきだ。
A second wind for the president
doi: 10.1038/489473a
GM(遺伝子組み換え)作物についての研究発表は、科学的な議論、検証を損なうことのないよう、安易な一般化を避けて慎重に行うべきだ。
Poison postures
doi: 10.1038/489474a
うつ病は世界で大きな問題となっており、心理療法を進歩・向上させるために、支援の強化が必要だ。
Therapy deficit
doi: 10.1038/489473b
News
GMトウモロコシで、ラットの発がん率が上昇したという研究結果が大きく報じられ、大騒ぎに。
Rat study sparks GM furore
doi: 10.1038/489484a
素粒子物理学界で、論文のオープンアクセス出版が、実現間近に。
Open-access deal for particle physics
doi: 10.1038/489486a
米化学会(ACS)がCASデータベースをめぐって新興企業の事業を妨害した、との判決が。
Chemical society tried to block business competitor
doi: 10.1038/489482a
中国の大手ゲノム研究企業が、最先端技術を持つ米国のゲノム解読企業を買収へ。
China buys US sequencing firm
doi: 10.1038/489485a
ロシアの分析化学者が麻薬輸入幇助の疑いで拘束され、科学者たちが、政治的な不当逮捕だと抗議の声を。
Researchers campaign to free jailed Russian chemist
doi: 10.1038/489481a
News Features
オバマの実験
The Obama experiment
オバマ大統領が、科学を正当に遇すると公約してから4年近く経ったが、その言葉は守られたのだろうか。
doi: 10.1038/489488a
政治と科学
Political science
米国では特に、科学と政治との関係が不安定で難しい。
doi: 10.1038/489487a
News & Views
進化:一角獣はどのようにしてその角を獲得したのか
Evolution: How the unicorn got its horn p.504
細菌個体群についての数万世代にわたる実験から、新規な形質は数個の既存の遺伝子の再編成と増幅を介して生じる場合があることが示された。
doi: 10.1038/nature11487
量子計算:スケーラブルな回路をめざしてスピンコヒーレンス時間を延ばす
Quantum computation: Spinning towards scalable circuits p.505
シリコンデバイスは現代のコンピューターの主要部分を形成している。このようなデバイスは、量子物理学の原理を用いる新時代の計算技術にとっても、ハードウェアのうってつけの基盤となりうる可能性があることが明らかになった。
doi: 10.1038/nature11488
ネットワーク科学:運か、それとも道理か
Network science: Luck or reason p.507
優先的選択は、多くのネットワークで見られるハブやべき乗則の原因となっている。新たに得られた研究結果は、その起源についての古くからの議論を再燃させ、それがランダム性あるいは最適化のどちらかに基づくとして論を立てている。
doi: 10.1038/nature11486
再生生物学:皮膚よ、汝自らを癒せ
Regenerative biology: Skin, heal thyself p.508
トゲマウスは、ぎゅっとつかまれただけで背中の皮膚が最大60%まで剥がれてなくなってしまうことがある。このネズミの皮膚を脱落させる能力と治癒能力が調べられ、組織再生の生物学的機構についての手がかりが得られた。
doi: 10.1038/489508a
電子工学:「切って貼り付けるだけ」のイオンゲル
Electronics: 'Cut and stick' ion gels p.510
イオンゲルはイオン性液体とポリマーからなる複合材料である。自立型のイオンゲルが今回作られ、かみそりの刃できれいに切って、半導体材料に貼り付けるとトランジスタができることが示された。
doi: 10.1038/489510a
がんの代謝:過剰が過小になるとき
Cancer metabolism: When more is less p.511
がん細胞では、厳密な調節を受けている1つの酵素が、グルコースからのエネルギー産生と巨大分子合成のバランスをとっている。マウスでこの酵素の活性を刺激することで、こうしたバランスを乱すと、腫瘍の増殖が抑制されることがある。
doi: 10.1038/489511a
Articles
進化:大腸菌の実験個体群における重要な進化的革新のゲノム解析
Genomic analysis of a key innovation in an experimental Escherichia coli population p.513
doi: 10.1038/nature11514
医学:肺扁平上皮がんゲノムの包括的特徴解析
Comprehensive genomic characterization of squamous cell lung cancers p.519
doi: 10.1038/nature11404
医学:抗体の1本のループを介したA型インフルエンザウイルスの交差中和
Cross-neutralization of influenza A viruses mediated by a single antibody loop p.526
doi: 10.1038/nature11414
Letters
宇宙:SN 1006の前駆天体には進化した星の伴星は残存していない
No surviving evolved companions of the progenitor of SN 1006 p.533
doi: 10.1038/nature11447
情報工学:成長するネットワークにおける人気(popularity)対類似性(similarity)
Popularity versus similarity in growing networks p.537
doi: 10.1038/nature11459
量子情報科学:シリコンにおける単一原子電子スピンキュービット
A single-atom electron spin qubit in silicon p.541
doi: 10.1038/nature11449
地球:マリノア氷期の直後に起きた海洋の酸素化
Ocean oxygenation in the wake of the Marinoan glaciation p.546
doi: 10.1038/nature11445
気候:気候変動に対する塩沼の炭素蓄積の応答
Response of salt-marsh carbon accumulation to climate change p.550
doi: 10.1038/nature11440
生態:野生冬眠動物に見られる、気候変動と関連した生物季節学的特性の遅延および適応度の低下
Delayed phenology and reduced fitness associated with climate change in a wild hibernator p.554
doi: 10.1038/nature11335
進化:南アフリカの初期ヒト族で食餌は変化したが景観利用は変化しなかったことを裏付ける証拠
Evidence for dietary change but not landscape use in South African early hominins p.558
doi: 10.1038/nature11349
発生:トゲマウス(Acomys)の皮膚の脱落と組織再生
Skin shedding and tissue regeneration in African spiny mice (Acomys) p.561
doi: 10.1038/nature11499
医学:広範囲にわたる中和活性を持つインフルエンザ抗体開発のための構造的および遺伝学的基盤
Structural and genetic basis for development of broadly neutralizing influenza antibodies p.566
doi: 10.1038/nature11371
細胞:内因性アルデヒド類がマウス造血幹細胞機能に与える遺伝毒性の帰結
Genotoxic consequences of endogenous aldehydes on mouse haematopoietic stem cell function p.571
doi: 10.1038/nature11368
細胞:Fun30ヌクレオソームリモデリング因子はDNA二本鎖切断端の切除を促進する
The Fun30 nucleosome remodeller promotes resection of DNA double-strand break ends p.576
doi: 10.1038/nature11355
細胞:酵母のFun30とヒトのSMARCAD1クロマチンリモデリング因子はDNA末端切除を促進する
The yeast Fun30 and human SMARCAD1 chromatin remodellers promote DNA end resection p.581
doi: 10.1038/nature11353
生化学:出芽酵母における膜–タンパク質複合体の相互作用の全体像
Interaction landscape of membrane-protein complexes in Saccharomyces cerevisiae p.585
doi: 10.1038/nature11354