Letter

細胞:酵母のFun30とヒトのSMARCAD1クロマチンリモデリング因子はDNA末端切除を促進する

Nature 489, 7417 doi: 10.1038/nature11353

致死的になりうるDNA二本鎖切断(DSB)は、いくつかの相同依存経路によって修復が可能である。あらゆる相同組み換え反応に共通する最初の段階は、DSB端の5′–3′方向の分解であり、これにより、チェックポイントタンパク質と組み換えタンパク質の結合に必要な3′側の一本鎖DNAが作られる。酵母では、Mre11–Rad50–Xrs2複合体(Xrs2はヒトではNBNやNBS1として知られる)とSae2(ヒトでの別名RBBP8またはCTIP)が末端切除を開始させ、広範囲の切除はエキソヌクレアーゼExo1、あるいはヘリカーゼとトポイソメラーゼの複合体Sgs1–Top3–Rmi1とエンドヌクレアーゼDna2に依存する。DSBはクロマチン上で起こるが、ヌクレオソームDNAを介して切除装置が移動する過程についてはよくわかっていない。本研究では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のFun30タンパク質と、それに相当するヒトSMARCAD1が、DSB応答に直接的にかかわることを示す。この2つは、Snf2タイプATPアーゼファミリーのATP依存的クロマチンリモデリング因子であるが、特性があまり明らかになっていない。Fun30は物理的にDSB端と結合し、そのATPアーゼ活性を必要とする機構を介して、Exo1依存性とSgs1依存性の両方の末端切除を直接的に促進する。末端切除におけるFun30の働きによって、カンプトテシンで誘発したDNA損傷の修復が促進されるが、Exo1を異所的に過剰発現させた場合はFun30が必要とされなくなった。興味深いことに、SMARCAD1もDSBに動員され、その動員の反応速度はEXO1のそれと同様である。SMARCAD1を欠失させると、末端切除とDNA組み換え修復が障害され、カンプトテシンやポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ阻害剤の処理によるDNA損傷に対して、細胞が高感受性を示すようになる。以上の結果から、クロマチン上での末端切除、相同組み換え、ゲノム安定性の制御におけるクロマチンリモデリング因子Fun30とSMARCAD1の進化的に保存された役割が明らかになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度