Letter

気候:気候変動に対する塩沼の炭素蓄積の応答

Nature 489, 7417 doi: 10.1038/nature11440

海洋における炭素の年間埋没量のうち約半分は、水の流れ、植生の成長、堆積物の輸送の間の相互作用によって地形と生態の安定性が決まる浅海生態系で生じている。気候変動に対する陸域と深海の炭素貯蔵庫の感受性は、数十年間にわたって研究されてきたが、沿岸域の炭素の蓄積速度が今後どのように変化し、気候へフィードバックされる可能性があるかについてはほとんど解明されていない。本論文では、生産性や分解に関する近年の測定結果をもとに、塩沼の進化の数値モデルを開発し、鉱物の土砂堆積物と有機物の蓄積の競合によって、潮間湿地の炭素蓄積に気候変動が与える正味の影響が決まることを示す。我々は、海水準上昇の増加速度が大きくなるにつれて温暖化の影響が大きくなるものの、温暖化が土壌炭素の蓄積速度へ与える直接的な影響は、温暖化によって生じる海水準上昇の影響よりも小さいことを見いだしている。今回のシミュレーション結果から、気候変動の正味の影響は、21世紀前半においては炭素の埋没速度を増加させるが、炭素気候フィードバックは時間とともに減少する可能性が高いことが示唆される。

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