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生態:野生冬眠動物に見られる、気候変動と関連した生物季節学的特性の遅延および適応度の低下

Nature 489, 7417 doi: 10.1038/nature11335

気候変動が生態に及ぼす影響として最も多く報告されているのは、生物季節学的特性の変化であり、中でも多いのが、春季の気温上昇による重要な事象の時期の前倒しである。しかし動物では、そうした報告が鳥類の生物季節学的特性に大きく偏っており、哺乳類の冬眠など、それ以外の季節的適応に関して知られているものはまだ比較的少ない。今回我々は、カナダのアルバータ州に生息するコロンビアジリスの野生個体群で、雌の成体に冬眠明けの時期の大幅な遅延(過去20年間で1年当たり0.47日)が認められることを明らかにする。この知見は、研究対象地点の気候条件と関係しており、個体内の表現型可塑性により、春季が低温で雪解けが遅れた年には雌の冬眠明けが遅れた。春季の気温には有意な年次傾向が認められなかったが、時季遅れの吹雪が多くなったために雪解けの時期はしだいに遅くなってきた。重要なこととして、冬眠明けが遅れた年と個体の適応度の低下との間に関連が認められた。そのため、過去20年間で平均適応度(すなわち個体群成長率)は低下した。今回の結果により、気候変動に対する可塑的な応答は、気温上昇以外の気候的傾向によって促進される場合があり、個体の適応度の低下、ひいては個体群の存続能力の低下を伴う可能性があることが明らかになった。

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