Press release

オープンアクセス出版に関する見方が好転していることが、ネイチャー・パブリッシング・グループとパルグレイブ・マクミラン社の調査で明らかに

2015年8月12日

2万2000人の学術研究者を対象としたネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)とパルグレイブ・マクミラン社による調査が行われ、オープンアクセス(OA)論文の質に対する一般認識を懸念する論文著者が減っていることが明らかになりました。

2014年の調査では、過去3年間にOA論文を発表していない科学者の40%が「OA論文の質に対する一般認識を懸念している」と回答していましたが、今年の調査では、その割合はわずか27%に低下しました。とりわけ顕著な変化が見られたのが人文科学・経営学・社会科学(HSS)分野で、「懸念している」という回答が54%(2014年)から41%(2015年)へと大幅に減少しました。しかしながら「OA論文の質についての一般認識に対する懸念」は、現在でも論文著者がOAでの出版を回避する主たる理由となっています。

NPGとパルグレイブ・マクミラン社は、論文著者と研究助成機関、出版社の相互理解を深めるため、OAに関する年次調査のデータを、匿名化の上、CC BYライセンスの下で公表しており、この試みは今年で2年目に入りました。

今回の調査では、論文著者がOAジャーナルの評判の形成過程、出版社の活動とサービスの価値、研究助成機関が定める義務など広範な論点をどのように捉えているのかが明らかになりました。この調査データは、全てfigshareで閲覧、ダウンロードが可能であり、また要約も公開されています。

NPG/パルグレイブ・マクミラン社のHead of Insightsを務めるDan Pennyは次のように述べています。「今後、多くのOA論文が確固たる評判を築き、研究助成機関がOAでの出版を義務化し、論文著者が最も良質な論文の投稿先としてOAジャーナルを選ぶようになるつれ、OAに対する一般認識は時とともに変化していくでしょう。特に昨年は、OAに対する姿勢が著しく改善された年でした」。

「また、NPGでは昨年、Nature Communications をOAジャーナルの主力に据えました。Nature Communications は今や多領域を扱うOAジャーナルとして、世界でトップクラスに成長しています。2015年からはNPGの全ジャーナルで出版される論文のうち56%が出版時にOAとなり、ライセンスもCC BYを標準としています。NPGはまた、OA出版に関する資金支援の情報を著者に紹介する新たなサービスを立ち上げました。しかし、OAをさらに広めるためには依然として啓蒙活動が必須であり、特に利用可能な資金と研究機関によるOAの義務化については、周知する努力が必要です」。

今回の調査結果の要点:

  • 論文著者が論文の出版先を選ぶ際に最も重要な4つの要素:
    • ジャーナルの評価
    • ジャーナルの掲載内容との関連性
    • 査読の質
    • ジャーナルのインパクトファクター(ただしHSS分野の論文著者はインパクトファクターよりもジャーナルの読者層を重視している)
  • ジャーナルの評価への寄与が最大の要素
    • ジャーナルのインパクトファクター
    • 最高の研究論文の発表先と考えられていること
    • 品質の一貫性
    • 査読の質
  • 自分が助成を受けている主力研究助成機関のOAに関する方針についての問いに対し、論文著者の30.7%が方針内容を正しく回答した。
  • 研究助成機関の方針内容に関する問いに対し、一部正しい回答が30%、完全に誤った回答が40%を占めた。
  • 研究助成機関の方針内容を正しく答えられなかった回答者のうち41%は、OAが義務化されているのに義務化されていないと考え、他の41%は、義務化されていないのに義務化されていると考えていた。
  • 中国の論文著者は、他国の著者よりもOAでの出版に対する助成を受けることができており、全ての論文をOA出版する著者の割合も増えている。また、今回の調査に参加した中国の研究者の92%がOAジャーナルで論文を出版するための資金が十分にあったと回答し、他国の論文著者(世界平均68%)を大きく上回った。
  • 中国の論文著者の20%が、過去3年間の論文の発表先はOAジャーナルのみであると回答した。
  • Author Insights Survey 2015は、NPGとパルグレイブ・マクミラン社からのみならず、他の出版社から論文を出版した学術研究者も対象とした調査です。社内での研究を当初の目的として2015年4月に実施されました。

    詳細は、次の担当者までお問い合わせください。
    大場 郁子
    ネイチャー・パブリッシング・グループ:
    E:Ikuko.Oba@nature.com

    ※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
    英語プレスリリース

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