注目の論文
火星の氷の名残?
Nature Geoscience
2009年2月16日
Relicts of martian ice?
オポチュニティー探査車が発見した、火星にある謎の堆積物である「メリディアン・プラナム」は、古代にあった大量の氷の残骸である、とNature Geoscience(電子版)に発表される。氷の中の小さな袋には、大気中の塵と反応した薄い水の層があり、このような堆積物内で見つかる独特の化学組成を生成しうる酸性環境を維持できたのである。
P NilesとJ Michalskiは、メリディアン・プラナム堆積物の化学的、堆積学的、および地質学的性質を、マーズ・オポチュニティー探査車が得た情報を用いて分析した。彼らは、古代の氷(現在の火星極域にある氷冠と同じ大きさ)の中で起きた硫酸塩の生成と化学的風化が、その観測を最もよく説明できると示唆している。温暖な気候によって氷が昇華した後、残った堆積物がその化学的徴候を保ったのである。
メリディアン・プラナムがある地域は赤道の近くで、現在は大きな氷を維持することができない。著者らは、氷は古代の極が異なった場所にあったか、あるいは、火星の自転軸が現在の太陽の周りを公転する軌道に対する角度とは異なっていた時代に形成された可能性がある、と提案している。
doi: 10.1038/ngeo438
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