注目の論文
貧血性の土壌
Nature Geoscience
2008年11月3日
Anaemic soils
窒素の堆積量が増加することは、鉄が溶けやすくなり植物の生長が抑制されて、土壌の酸性化を有毒なレベルにまで高める、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。
工業と農業に関連した人工的な窒素の堆積が長期間にわたり継続したことで、スロバキアの西タトラ山地における土壌の酸性度が高くなった。W Bowmanらは、その地域の窒素量が増加したことが高山帯にある草原地帯の土壌へ溶解した鉄が流れ込むことの引き金になったことを明らかにしている。このような鉄の流出は、鉱山から酸性鉱物が流出した後の土壌にみられる条件と類似した極度の土壌酸性化を示唆している。
この結果に基づいて著者らは、過去50年間におけるヨーロッパと北米における高濃度の窒素堆積物によって、多くの土壌が新たな酸性化の状況におかれており、カルシウムやアルミニウムではなく、むしろ鉄が障害になりうると警告している。
doi: 10.1038/ngeo339
注目の論文
-
4月23日
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
4月22日
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change
-
4月11日
環境:世界のプラスチックのうち、再生材料から製造されたものは10%未満Communications Earth & Environment
-
4月10日
考古学:狩猟採集民がマルタに向けて出帆Nature
-
4月10日
惑星科学:月の裏側の水の存在量の評価Nature
-
4月9日
遺伝学:古代のDNAから湖魚の早期導入が明らかにNature Communications