Research Highlights

早期OAを検出するための集中的な取り組み

Nature Reviews Rheumatology

2010年10月29日

Osteoarthritis Concentrated efforts to detect early OA

変形性関節症(OA)の早期段階では、関節軟骨の構造的変化(細胞外マトリックス[ECM] のプロテオグリカン減少など)が生じる。プロテオグリカン減少はナトリウム濃度低下と相関しており、ナトリウムMRIにより測定できる。ナトリウムMRIの感度を上昇させる新しい方法を、MadelinらがJournal of Magnetic Resonance に発表した。「ナトリウムMRIは関節軟骨のグリコサミノグリカン含量を測定するための標準的手法だが、現在利用できる方法では、膝関節において滑液由来と関節浸出液由来の遊離ナトリウムイオンを区別できないため、定量にかなりの誤差が生じている」と、研究リーダーであるRavinder Regatteは説明している。

彼らは、磁化準備型3D極超短波TE放射状ナトリウムMRIシークエンスが、遊離ナトリウムによるシグナルを抑制することで、軟骨基質内の結合型ナトリウム由来のシ グナルを選別できるかどうか検討した。ヒト屍体の膝関節でこの方法の較正を行った後、健常被験者5例を対象として試験を行い、滑液ナトリウムシグナルの抑制を観 察した。2種類の逆パルスで滑液ナトリウム抑制の比較も行った。全般的に、断熱パルスの方が矩形パルスよりも信頼性が高かった。これは、B0およびB1不均質性に 対して頑健であるためだと考えられる。実際、彼らは現在、断熱逆リカバリーシークエンスを最適化する研究を行っている。最終的な目標は、早期OAにおけるプロテ オグリカン減少検出法を改善することである。「われわれは現在、この新しい方法を評価しナトリウム濃度を定量するため、OA患者と外科的な軟骨修復を受けた患者を 募集している」とRegatteは述べている。

doi: 10.1038/nrrheum.2010.165

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