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関節リウマチと脊椎関節症において生物学的製剤が血管に及ぼす影響

Nature Reviews Rheumatology

2009年11月10日

Vascular effects of biologic agents in RA and spondyloarthropathies

関節リウマチおよびその他の炎症性リウマチ疾患の患者では、促進されたアテローム硬化と内皮細胞機能不全により心血管疾患罹患率と死亡率が上昇する。炎症の持続は心血管疾患の主要な危険因子である。従来の血管保護薬以外に、生物学的製剤も、脈管構造に対して良好な影響を及ぼす可能性がある。実際、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬は、血管内皮機能を一時的に改善すると考えられている。アテローム性動脈硬化と動脈壁硬化に対する生物学的製剤の作用に関しては、一貫したデータは得られていない。TNF阻害薬が脂質代謝異常に及ぼす影響は、薬によって異なる可能性がある。インフリキシマブ長期投与はアテローム形成を促進しうるが、一部の研究では、エタネルセプトとアダリムマブが脂質プロファイルに良好な影響を及ぼす可能性が示されている。TNF阻害薬は、関節リウマチ患者の心血管イベント発生率を低下させることが示されている。予備データでは、リツキシマブも、血管内皮機能と脂質代謝異常を改善させることが示唆されている。生物学的製剤が脈管構造に及ぼす真の影響を評価するには、今後の研究が必要である。

doi: 10.1038/nrrheum.2009.219

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