注目の論文
【生物学】心疾患の治療と予防にモクレンが役立つ
Nature Communications
2015年4月15日
Biology: Magnolia for a healthier heart
このほど行われたマウスの研究で、モクレンの樹皮から抽出した天然の化合物「ホノキオール」が心肥大やその他数多くの疾患の治療に役立つ可能性が明らかになった。その詳細についての報告が、今週掲載される。
心肥大は、心室の壁の厚みが増した状態で、心不全を引き起こすことがある。伝統的な東洋医学で用いられるホノキオールには鎮痛作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗がん作用、神経保護作用があることがすでに判明している。
今回、Mahesh Guptaたちは、マウスモデルを使ってホノキオールを投与する実験を行い、すでに心肥大にかかっているマウスの症状が緩和され、心肥大になりやすいマウスが心肥大を発症しなかったことを明らかにした。また、Guptaたちは、ホノキオールがSirt3タンパク質の発現量を増加させて、そうした作用をもたらしていることを明らかにし、Sirt3を活性化させることの分かった初めての薬物がホノキオールである点も指摘している。Sirt3は、ミトコンドリアの機能のさまざまな側面を調節することが知られており、Guptaたちは、ホノキオールがミトコンドリアの損傷と酸化ストレスと関連した疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病)の治療に役立つことを期待している。
doi: 10.1038/ncomms7656
注目の論文
-
10月2日
遺伝学:自閉スペクトラム症の遺伝的に異なる形態Nature
-
9月30日
健康:非依存性大麻抽出物が慢性腰痛を軽減Nature Medicine
-
9月18日
神経科学:繰り返される頭部外傷は若年アスリートの脳細胞を変化させるNature
-
9月17日
健康:長期的なコロナウイルス感染症の後遺症は月経障害と関連するNature Communications
-
9月10日
健康:大麻の使用は女性の生殖能力に影響を与えるかもしれないNature Communications
-
8月26日
気候:熱波が老化に及ぼす長期的影響の解明Nature Climate Change