注目の論文
肥満が関係した喘息の治療
Nature Medicine
2013年12月16日
A treatment for obesity-associated asthma
肺で生産される特定の免疫分子を阻害すると、マウスの肥満が関係した喘息が抑えられることが明らかになった。
肥満は喘息のリスク因子であり、ボディマス指数が高くなると喘息を発症するリスクの上昇に結びつく。体重減少によって喘息の症状は軽くなるが、肥満の人は現在認可されている喘息治療薬に対しての反応も悪い。しかし、この種の喘息の根本的な原因が何かは不明である。
Dale Umetsuたちは、高脂肪食を与えたマウスに、喘息の主症状である気道過敏性が生じることを明らかにした。これらのマウスでは、高脂肪食摂取によって、免疫細胞の1種マクロファージによるインターロイキン-1β(免疫分子の1つ)の生産が誘発される。このIL-1βが、別の分子IL-17の分泌を促進し、これが気道疾患を悪化させる。IL-1βが受容体に結合するのを阻害する認可薬を投与すると、IL-17の分泌が抑えられ、肥満マウスの気道疾患が軽減する。喘息患者の気道ではIL-17を生産する細胞が見つかっているので、今回の知見が示しているように、IL-1β経路を標的にすれば、この種の喘息が治療できるかもしれない。
doi: 10.1038/nm.3423
注目の論文
-
12月2日
ウイルス学:ヘテロ接合型CCR5 Δ32幹細胞移植後のHIV-1寛解Nature
-
11月20日
神経科学:言語の知覚は翻訳によって失われないNature
-
11月19日
神経科学:ダンスに対する脳の反応を解明するNature Communications
-
11月18日
神経科学:減量薬が食物渇望に関連する脳信号に影響を与えるかもしれないNature Medicine
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
