注目の論文
放射能中毒(急性放射線症候群)の治療の新薬候補
Nature Medicine
2012年6月25日
New drug candidates for treating radiation poisoning
急性放射線症候群の治療薬の新たな候補が2つ見つかった。
Hartmut Geigerたちは、遺伝子スクリーニングを行ってマウスの放射線感受性の新しい調節因子を同定し、血液凝固と炎症を制御するある経路が、意外なことに放射線障害に対する防御作用をもつことを発見した。この経路では、トロンボモジュリンというタンパク質が働いて、抗凝固作用、抗炎症作用をもつ活性型プロテインCの生成を助ける。遺伝子組み換えによるトロンボモジュリンや活性型プロテインCを静脈内注入すると、全身に放射線照射したマウスの死亡を防ぐことができた。
トロンボモジュリンも活性型プロテインCも、これまでヒトの他の病気に利用されており、用途を変えて急性放射線症候群の治療にも利用できるかもしれない。
doi: 10.1038/nm.2813
注目の論文
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine
-
4月11日
生態学:森林管理の認証制度が哺乳類の大型種と絶滅危惧種の保護に役立っているNature
-
4月11日
医学:インフルエンザ感染に伴う肺損傷の予防薬候補がマウスの試験で好結果Nature
-
4月9日
身体に触れられると精神的・身体的な健康が向上する可能性があるNature Human Behaviour
-
4月4日
医学研究:希少疾患に対するmRNA医薬の臨床試験Nature
-
4月3日
遺伝学:左利きに関連する希少な遺伝子バリアントを調べるNature Communications