注目の論文

【心理学】精神的危機状態にある患者の紹介と精神衛生関連のツイートが多いことの関連

Scientific Reports

2020年2月7日

Psychology: High volumes of mental health-related tweets associated with crisis referrals

英国ロンドンにある2つの精神医療提供機関に支援の緊急性の高い患者が紹介された件数は、精神衛生に関する話題を論じるツイートの数が平均より多い日に著しく増加したことを報告する論文が、Scientific Reportsに掲載される。この研究では、2010年1月から2014年12月までにサウスロンドン&モーズリーNHS基金トラスト(SLAM)とカムデン&イズリントンNHS基金トラスト(C&I)で収集されたデータが使用された。

以前の研究で、ソーシャルメディアの利用、メディアにおける精神疾患の描写と精神衛生に関する一般の人々の議論は、心の健康上の転帰に負の影響を及ぼす可能性のあることが研究で明らかになっている。しかし、これまでの研究は、報道機関が取り扱った注目を集める出来事を主に調べたものであり、ソーシャルメディアで心の健康に言及することとの関連性については、十分な研究が行われていない。

今回、Anna Kolliakou、Robert Stewartたちの研究チームは、2つの重要な健康障害(うつ病と統合失調症)に関連するキーワードを含むツイートの数とSLAMとC&Iへのcrisis episode(危機状態)の患者の紹介記録の件数を比較した。SLAMとC&Iでは、2010年1月から2014年12月までにそれぞれ4万8691件と3万2689件のcrisis episodeの記録があった。そして、うつ病と統合失調症に言及し、あるいはそのいずれかの疾患に対する支援を表明したツイートの数が平均より多い日に、SLAMやC&Iに紹介された精神衛生関連のcrisis episodeの件数が、5~15%増加したことが分かった。

Kolliakou、Stewartたちの研究チームは、これらの関連性の基盤をなしている可能性のある要因を明らかにし、医療機関がソーシャルメディアのプラットフォームを監視して悪影響を受けやすい人々を特定し、リスクが高まる時期を予測できるかどうかを判断するために、さらなる研究を行う必要があるという考えを示している。

doi: 10.1038/s41598-020-57835-9

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