【腫瘍学】BRCA1遺伝子のそれぞれのバリアントとがん発症リスクの関係
Nature
2018年9月13日
Oncology: Cancer risks for BRCA1 genetic variants analysed
BRCA1遺伝子については数千種類のバリアントが見つかっているが、それらについて、これまでより正確な機能別分類が行われた。この機能評価結果は、臨床現場で乳がんと卵巣がんのリスクを調べるための遺伝子検査の結果を解釈する際に重要な意味を持つ可能性がある。
BRCA1遺伝子は、ヒトの腫瘍抑制遺伝子で、その機能喪失は、早発性乳がん/卵巣がんにかかりやすい体質と関連付けられている。BRCA1遺伝子の多様体は、すでに数千種類も見つかっているが、その多くが「意義不明のバリアント」に分類されているため、がんを発症するリスクの評価が難題となっている。
この「意義不明」への対処方法の1つは、個々のバリアントについて、その発現時にDNA修復機能が果たされるかどうか(これが(腫瘍抑制に不可欠である)を検証することだ。今回、Jay Shendureたちの研究グループは、ゲノム編集を用いて、BRCA1遺伝子の機能にとって非常に重要な13のエキソン内の約4000個の一塩基バリアント(SNV)の機能を評価した。この評価では、2000万個のヒト半数体細胞(HAP1細胞)について、その後の細胞の生存の測定が行われ、その結果、発現を妨げるように働くSNVが約300個突き止められた上、400個以上のミスセンス変異SNV(タンパク質のアミノ酸配列を変える)が実際には非機能性であることが明らかになった。以上の機能評価結果は、多様体が病原性か良性かを判定するための確立された臨床評価の結果と密接に相関している。
Shendureたちは、HAP1細胞株を使用するモデルが他の細胞株の場合と比べて最も生理的に適切なモデルと言えない可能性があるものの、臨床評価結果との高い相関関係が示されたことでデータの妥当性が確認されたと指摘している。また、Shendureたちは、この機能評価結果が多様体の分類にとって価値あるものであることを強調し、臨床現場でBRCA1遺伝子の遺伝的スクリーニング結果を解釈する際に直ちに使用できるという考えを示している。
doi: 10.1038/s41586-018-0461-z
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