【がん】エピジェネティクスによる悪性小児白血病患者の分類
Nature Communications
2017年12月20日
Cancer: Epigenetics stratifies aggressive childhood leukaemia patients
若年性骨髄単球性白血病(JMML)は3つのサブグループに分類でき、これを用いて患者の転帰(自然治癒する可能性の非常に高い患者を含む)を予測できることを明らかにした2編の研究論文が、今週掲載される。
JMMLは、治療の選択肢が限られている悪性の小児がんの1つで、JMMLの現行の臨床マーカーと遺伝的マーカーによってJMMLと関連するさまざまな臨床転帰を説明できない。いろいろな細胞で遺伝情報が利用される過程を変えてしまう化学修飾の1つであるDNAメチル化は、がんにおいて重要な役割を演じている。今回の2つの独立した研究では、いわゆるエピジェネティックマーカーがJMML患者の転帰の多様性を説明するうえで役立つことが明らかになった。
今回、Christoph Plass、Daniel Lipkaたちの研究グループは、167点のJMMLのサンプルを用いて、DNAメチル化パターンと変異プロファイルの解析を行い、メチル化レベルの異なる3つのサブグループ(高レベル、中レベル、低レベル)を明らかにした。そして、メチル化レベルの高いグループの臨床転帰が不良で、メチル化レベルの低いグループの予後が良好であることが指摘され、3グループの変異プロファイルが異なっていることからは、DNAメチル化装置の活性化とJMMLの変異パターンの関連が示唆された。一方、Elliot Stieglitz、Mignon Lohたちの研究グループは、39人の患者のDNAメチル化パターンを調べて、3つのDNAメチル化グループを独自に同定し、高いメチル化レベルと臨床転帰の不良が結び付き、低いメチル化レベルと良好な予後が結び付いていることを明らかにした。この結果の妥当性は別の40人の患者において確認された。
今回の研究は、DNAメチル化によるJMML患者の分類の基礎となっており、悪性の複雑疾患であるJMMLの根本にある生物学的性質の理解を深める上で役立っている。
doi: 10.1038/s41467-017-02178-9
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