注目の論文
【疫学】1900年以降のサブサハラアフリカでのマラリア有病率
Nature
2017年10月12日
Epidemiology: The prevalence of malaria in sub-Saharan Africa since 1900
マラリアの原因である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に関して、サハラ以南のアフリカでの原虫保有率に関する最大級の研究結果を報告する論文が、今週掲載される。このデータセットには3万地点以上で採取された約780万点の血液サンプルが含まれており、115年間のマラリアの歴史に対応している。
今回、Bob Snowたちの研究グループは、マラリア伝播の強さの指標である熱帯熱マラリア原虫の原虫率に関するデータを用いて、マラリア伝播の長期的性質を突き止めた。Snowたちは、サハラ以南のアフリカにおける熱帯熱マラリア原虫の保有率が、1900~1929年に40%であったものが2010~2015年に24%に低下し、この低下傾向が複数のマラリア伝播の急増期と急減期によって中断したことがあり、それがいくつかの寄与因子の結果である可能性が高いことを明らかにした。また、Snowたちは、2000年以降にマラリア感染が前例のない規模で減少したことに対する過去の世界規模での取り組みの寄与を認める一方で、マラリア感染の減少がアフリカ大陸で一様に起こっておらず、西アフリカと中央アフリカの大部分の地域ではマラリア伝播率が高止まりしていることも明らかにした。
doi: 10.1038/nature24059
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