注目の論文
マラリア予防に新たな標的候補
Nature Communications
2011年11月9日
Potential new anti-malarial target
マラリア原虫のチロシルtRNA合成酵素が、ヒトのマクロファージに結合して、その内部に取り込まれ、免疫応答を引き起こすことが明らかになった。この新知見は、チロシルtRNA合成酵素がマラリア予防法の新たな標的となる可能性を示唆している。
チロシルtRNA合成酵素は、タンパク質の翻訳に必要なハウスキーピングタンパク質である。今回、A Sharmaたちは、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のチロシルtRNA合成酵素の構造を解明し、この酵素に含まれる特定のモチーフによってチロシルtRNA合成酵素がマクロファージに結合することを明らかにした。この酵素がマクロファージに結合すると、マラリアの病態生理において重要な役割を担っている炎症促進性サイトカインの分泌が誘発される。
今回の研究の結果、チロシルtRNA合成酵素がマラリア原虫の感染予防における重要な標的の1つとなる可能性が浮上した。
doi: 10.1038/ncomms1522
注目の論文
-
12月10日
加齢:脳の老化に関連する重要なタンパク質の発見Nature Aging
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature
-
12月3日
神経科学:標的を絞った脳深部刺激が脊髄損傷後の歩行を改善するNature Medicine
-
11月29日
気候:2026年ワールドカップの開催地は、サッカー選手に熱ストレスのリスクをもたらすScientific Reports
-
11月26日
健康:イングランドにおけるカロリー表示の効果の評価Nature Human Behaviour
-
11月21日
生物学:全ヒト細胞アトラスの作成Nature