注目の論文
【生物地球化学】金の粒子を生み出すユーカリ?
Nature Communications
2013年10月23日
Biogeochemistry: Does gold grow on trees?
ユーカリ属(Eucalyptus)の木の葉から金粒子が検出され、埋没した金鉱床を探し出すための新しい方法が明らかになった。この新知見は、到達しにくい地中深くに埋没した金鉱床の発見に結びつく可能性がある。
ユーカリ属の木の周辺の土壌から微量の金が時々見つかるのだが、これまで未発見だった金資源の上にユーカリが生えているのか、それとも金の粒子が風でこの木に運ばれてきたのかを確かめるには、その地域に多大な迷惑をかけて、地中深くまで掘削してみないと簡単にはわからない。今回、Melvyn Linternたちは、X線画像化の一種を用いて、ユーカリの葉、小枝と樹皮の中に自然発生の金粒子が含まれていることを発見し、この方法が、土地の侵襲的な掘削をせずに金粒子を特定するうえで役立つ可能性を明らかにした。Linternたちは、地下35メートルの地点に金鉱床があり、その上に生えているユーカリが乾燥条件下で水分源を求めているうちに、この金鉱床から金粒子を吸収するようになったという見方を示している。現地試料とLinternたちが行った温室実験から、ユーカリに害を及ぼさない濃度の微量の金粒子が根から吸収されて、葉などの末端部に輸送され、その結果、金粒子の濃度が末端部で最大値を記録したことが示唆されたのだ。
過去10年間に金の発見量が45%減少したことを考えると、気候と植生の成長と埋没金鉱床の結びつきは、鉱物探査のための新技術の開発に役立つかもしれない。
doi: 10.1038/ncomms3614
注目の論文
-
4月4日
化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れNature
-
3月27日
機械学習:ベルギービールの風味を高めるNature Communications
-
3月22日
化学:ちょっと立ち止まって体臭の化学組成の違いを調べてみたCommunications Chemistry
-
2月28日
持続可能性:もっと環境に優しい方法でデニムを青く染めるNature Communications
-
1月24日
化学:複数の自律型実験室をつないで国際的な共同研究を進めるNature Communications
-
11月30日
天文学:新たに発見された6惑星系Nature