注目の論文
インディゴのグリーンな製造法
Nature Chemical Biology
2018年1月9日
Indigo goes green
遺伝子組換え細菌からインディゴ染料を製造する環境に優しい方法が、今週報告される。インディゴはデニムをその特徴的な青色に染めるのに広く使用されており、それを合成および利用するための今回の生物学的手法は、有害な化学物質を不要とするものである。
インディゴはある種の植物で自然に生成し、青色の染料として使用するために数千年前から抽出されてきた。しかし、その染料に対する現代の需要は、工業規模での化学合成を必要としている。その工程では種々の有害な化学物質が用いられており、環境に危害が及ぶ場合もある。
インディゴを製造するための「グリーン」な手法として、John Dueberたちは、インドキシルと呼ばれる類似物質を産生する遺伝子組換え細菌を用いた。インドキシル自体は不安定だが、研究チームは、インドキシルを糖分子と結び付けることによって安定化させることができる酵素を見いだした。この酵素を細菌に加えるとインディカンが産生されるが、それは容易に分離して長期保存しておくことができる。そののち、染色に際してインディカンは、別の酵素によって生地の上でなじみ深いインディゴへ直接変換される。
研究チームによれば、そのインディゴ製造法にはまだ工業規模での実用性が欠けているが、長期的には、現在の化学的工程に代わる持続可能性に優れた環境に優しい手段となる可能性があるという。
doi: 10.1038/nchembio.2552
注目の論文
-
4月4日
化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れNature
-
3月27日
機械学習:ベルギービールの風味を高めるNature Communications
-
3月22日
化学:ちょっと立ち止まって体臭の化学組成の違いを調べてみたCommunications Chemistry
-
2月28日
持続可能性:もっと環境に優しい方法でデニムを青く染めるNature Communications
-
1月24日
化学:複数の自律型実験室をつないで国際的な共同研究を進めるNature Communications
-
11月30日
天文学:新たに発見された6惑星系Nature