Primer

くる病

Nature Reviews Disease Primers

2017年12月21日

Rickets

くる病
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くる病は、カルシウムとリンの血中濃度の低下によって起こる骨疾患の1つである。臨床症状は、発症年齢と病因によって異なるが、下脚の弓状変形、低身長、関節の拡大などが現れる。くる病の原因は栄養欠乏だけでなく遺伝子異常も関係すると考えられており、現在までに、ビタミンDの代謝または作用、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)の産生と分解、腎臓のリン排泄能、骨代謝などに関与するタンパク質の遺伝子の変異が報告されている。栄養性くる病の罹患率は200年前と比べて大幅に減少したが、最近、いくつかの先進国で再び増加し始めている。とりわけ、浅黒い肌を持つ未熟児や母乳幼児では発症リスクが高い。通常、診断は、病歴、身体検査、生化学検査およびX線画像検査で行われる。栄養性くる病に限っては予防が可能とされており、カルシウムとビタミンDのサプリメントや栄養強化食品を摂取するか、日光浴との併用が行われる。典型的な栄養性くる病の治療では、カルシウムまたはビタミンD、あるいはその両方の補給が行われるが、まれにリンの補給が必要になることがある。ビタミンDの代謝または活性化の異常が原因で起こる遺伝性のくる病の管理では、活性型ビタミンDの投与が行われる。FGF23非依存性の低リン血症性くる病の治療では経口リン補給薬が使用されることが多いが、FGF23関連性くる病の通常治療では、リンと活性型ビタミンDが併用される。最近、抗FGF23抗体で有望な結果が示されたが、さらなる研究が必要である。

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くる病は、カルシウムとリンの血中濃度の低下によって起こる骨疾患の1つで、主に、成長板の広がりとミネラル化不足につながる。くる病の罹患率は200年前と比べて大幅に減少したが、再び増加し始めている。
本Primerの図解サマリー

doi:10.1038/nrdp.2017.101

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