Primer

二分脊椎

Nature Reviews Disease Primers

2015年4月30日

Spina bifida

二分脊椎
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二分脊椎は、脊柱が開いた状態になった先天異常の1つで、多くの場合脊髄病変を伴う。臨床的に最も重要なサブタイプは脊髄髄膜瘤(開放性二分脊椎)で、胎児発生期における腰仙部脊髄神経管の閉鎖障害を特徴とする。露出した神経組織が子宮内で変性した結果、神経欠損が生じるが、その損傷程度には個人差がある。脊髄髄膜瘤は、世界的に1,000出生あたり約1の割合で発生する、もっともよく見られる先天性奇形の1つであるが、その原因についてはほとんど明らかにされていない。遺伝的要素は60~70%であろうと推測されているが、マウスモデルによって多くの情報が得られているにもかかわらず、今のところ原因遺伝子は同定されていない。非遺伝子的な母体側の危険因子として、葉酸の摂取不足、抗痙攣療法、糖尿病、肥満などが挙げられる。妊娠前後期における葉酸の摂取が一次予防に有効であることが臨床試験で示されると、多くの国々で食品栄養強化プログラムが実施されるようになった。超音波検査による出生前診断によって、女性の妊娠中絶の選択が可能になった。出産した場合、病変部の閉鎖術が行われた後、キアリⅡ型脳奇形、水頭症、泌尿器科的後遺症、整形外科的後遺症などの関連障害の管理が行われる。骨髄髄膜瘤では、生後手術よりも胎児外科修復の方が早期神経学的転帰の改善に関連することが示されている。骨髄髄膜瘤は、小児期、思春期および成人期を通して、生活の質に影響を及ぼし、患者とその家族および社会全体に困難を強いている。

本Primerの図解サマリー

doi:10.1038/nrdp.2015.7

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