Review

若年性特発性関節炎に対する生物学的製剤治療の安全性プロファイル

Nature Reviews Rheumatology

2010年8月31日

The safety profile of biologic therapies for juvenile idiopathic arthritis

若年性特発性関節炎(JIA)の治療は、患者の短期転帰および長期転帰(初期のエビデンスより)を大きく改善させる新規生物学的製剤の使用によって、根本から変化している。JIA 患者の治療に現在利用可能な生物学的製剤には、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬、インターロイキン(IL)-1およびIL-6受容体を標的とする種々の薬剤、T細胞共刺激阻害薬、Bリンパ球抗原CD20に対する抗体などがある。これらの薬剤は、疾患経過の早期に用いられる機会が増えており(他の免疫抑制薬と併用されることが多い)、患者がその使用から離脱するのは難しいこともあるため、しばしば長期にわたって用いられる。そのため、安全性に関する懸念(特に生物学的製剤治療の長期的 作用)が綿密に検討されている。例えば、2009年にFDAは、TNF阻害薬を2.5年超使用したJIA患者における悪性腫瘍発生に関連する警告を発した。本レビューでは、JIAの治療に現在利用可能な全ての生物学的製剤の安全性プロファイルに関連したデータを、JIAに対する生物学的製剤として最もよく研究されているTNF阻害薬に特に焦点を 当てて、検討する。薬剤安全性を長期的に監視するための登録の実施も含めて、さらに検討が必要な安全性上の問題についても論じる。

doi:10.1038/nrrheum.2010.142

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