Research Highlights

抗炎症治療の標的としての免疫プロテアソーム?

Nature Reviews Rheumatology

2009年9月1日

Rheumatoid arthritis The immunoproteasome as an anti-inflammatory target?

ユビキチン-プロテアソーム系はサイトカイン産生を調節しているが、リンパ球および単球における免疫プロテアソームが、それぞれの細胞のサイトカイン放出にも影響を及ぼす可能性はあるのだろうか。Muchamuelらの研究によれば、その可能性はあると報告している。さらに、プロテアソームの触媒サブユニットの1つであるLMP7を標的とすることにより、実験的関節炎の進行が抑制されることも明らかにした。

著者らはこれまでの研究で、すべての免疫プロテアソームサブユニットの、炎症環境下にあるT細胞の生存と増殖に及ぼす新たな機能について明らかにしてきたが、筆頭著者であるMarcus Groettrupは、「免疫プロテアソームの活性部分のサブユニットを阻害することは、望ましくないT細胞応答を減少させる有用な手法になりうる」という仮説のもと、ひき続き実験を行った。そして、LMP7の選択的阻害薬であるPR-957が、LMP7依存性の内因性エピトープの提示を抑制することを示した。

著者らは、恒常的プロテアソームのサブユニットのひとつであるβ5およびLMP7サブユニットの両者を標的とするプロテアソーム阻害薬は、刺激単球におけるサイトカイン産生を阻害することを示した。そして、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロンγ、インターロイキン(IL)-6、IL-23などの炎症促進性サイトカインの産生にLMP7活性が必要であることをLMP7選択的阻害薬PR-957を用いて証明する一方、β5選択的阻害はサイトカイン放出に大きな影響を及ぼさなかった。したがって免疫プロテアソームの阻害は、多岐にわたる阻害薬がサイトカイン産生に及ぼす作用を仲介している可能性が高いと考えられた。関節リウマチ(RA)患者由来の細胞において、LMP7を選択的に阻害しても、TNF、IL-6、IL-23の産生が阻害された。またin vitro においてLMP7の阻害がTh17細胞の分化を抑制することは、LMP7はT細胞の炎症性エフェクター細胞への分化に関与するこ とを示唆している。

PR-957の関節炎抑制作用が、2つの別々のRAマウスモデルにおいて確認された。PR-957は、コラーゲン誘発性関節炎モデルの関節破壊に対し、エタネルセプトより高い有効性を示した(図1)。また、抗コラーゲン抗体誘発性関節炎においては、エタネルセプトより迅速な反応が認められた。これは、PR-957がいくつかの細胞と、サイトカインに影響を及ぼしたことによる可能性がある。最後にGroettrupは、「免疫プロテアソームがどのようにサイトカイン産生に影響を及ぼすのかを明らかにすることは今後の重要な課題である」と述べている。

doi:10.1038/nrrheum.2009.155

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