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抗オステオポンチンモノクローナル抗体はマウスモデルの関節炎を改善・予防する

Nature Reviews Rheumatology

2008年10月1日

Anti-osteopontin monoclonal antibody improves and prevents arthritis in a mouse model

これまでの研究から、炎症性サイトカインであるオステオポンチンには関節リウマチ(RA)の病因において重要な役割を担っていることが明らかになっ ている。オステオポンチンを治療標的として利用するために、Fan らは、ヒトRA の動物モデルであるマウスのコラーゲン誘発関節炎(CIA)の治療で2つの新規の抗オステオポンチンモノクローナル抗体 (mAb:23C3 とF8E11)の有効性を検討した。

DBA/1J マウスにII 型コラーゲンを21 日間隔で2 回投与し、CIA を誘発した。そのマウスに抗オステオポンチンmAb または対照IgG を、初回接種時以降(対照群)あるいは2 回目の接種後(確立され たCIA 治療群)から投与した。いずれのmAb もCIA 発現の阻止に有効であったが、確立した疾患を回復させることができたのはmAb 23C3 のみであった。オステオポンチンはII 型コラーゲンで活性 化されるT 細胞とRA 患者滑液中のT 細胞のアポトーシスを抑制することが確認された。mAb 23C3を添加するとT 細胞アポトーシスは著しく増強された。著者らは、オステオポンチン内のエピトープ ATWLNPDPSQKQ(mAb 23C3 の結合部位) が、活性化T 細胞の保護に直接関与することを突き止め た。

Fan らによると、mAb 23C3 は活性化T 細胞のアポトーシスを促進できることから、RA の新たな治療選択肢として利用できる可能性がある。

doi:10.1038/ncprheum0893

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