Research Highlights

全身性硬化症に対する自家造血幹細胞移植

Nature Reviews Rheumatology

2008年4月1日

Autologous hematopoietic stem cell transplantation for systemic sclerosis

自己免疫疾患である全身性硬化症(SSc)は、結合組織を侵し、皮膚肥厚と筋肉および関節の線維性変化を引き起こす。また、腸管、心臓、肺、腎臓などの 主要な臓器を侵すことも知られている。死亡率は高く、30 ~ 50%の患者は診断後5 年以内に死亡する。疾患進行を遅延させるような確立された薬物治療は現在のところない。

本論文ではVonk らが、全身性硬化症患者を対象とした、強力な骨髄抑制および免疫抑制後の自家造血幹細胞移植の第I ~ II 相臨床試験の長期追跡調査結果を報告している。フランス人およびオランダ人 患者26 例の、治療後7 年間の生存および治療に対する反応を評価した。

追跡調査期間中央値5 年間で、移植を受けた患者の81%に良好な結果が得られた。5 年全生存率は96.2%であり、再発や疾患進行がなく、移植をしていない群の生存率は64.3%であった。7 年後の全生存 率は84.8%、移植をしていない群の生存率は57.1%であった。

著者らは、治療後最長7 年間にわたって皮膚肥厚の持続的改善を示し、肺、心臓、腎臓の機能も安定していることから、大半の患者が全身性硬化症の完全寛解または部分寛解であると結論づけた。この延 長追跡調査により、重度のびまん型皮膚全身性硬化症患者に対して自家造血幹細胞移植が実施可能であることが確認された。結果として、この治療法は、死亡率を効果的に低下させることができ、許容可能 な有害事象プロファイルを示していた。

doi:10.1038/ncprheum0751

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