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肥満を引き起こすレプチン─メラノコルチン系における種々のリガンドおよび受容体の突然変異

Nature Reviews Endocrinology

2008年9月9日

Mutations in ligands and receptors of the leptin-melanocortin pathway that lead to obesity

肥満は心血管疾患、糖尿病、一部の癌の罹患率および死亡率の上昇と関 連する。肥満の有病率は世界中で急速に上昇しており、今や世界的に重要 な公衆衛生上の問題となっている。肥満の有病率の上昇が環境要因に左右 されることは疑いないが、それと同等に、遺伝要因がヒトの脂肪量に大き な影響を及ぼすことが示唆されている。双子・養子研究では、脂肪量の個 人差の70%は遺伝要因によって決定されることが示された。したがって、 遺伝学的な戦略は、体重調節に関与する複合的な(かつ、しばしば不均一な) 分子・生理的メカニズムを解明する上で有用なツールとなる可能性がある。 そこで本稿では、主に重度の早発性肥満を引き起こす種々の単一遺伝子異 常に注目した。これらの遺伝子異常に関する研究により、ヒトの体重調節 にはどのようなメカニズムが関与し、また、肥満においてそのメカニズム がどのように障害されるのかを理解するための枠組みが提供されている。 これら単一遺伝子異常において障害される遺伝子は、摂食量および体重の 調節において役割を果たすレプチン─メラノコルチン系に含まれるリガンド と受容体をエンコードしている。

doi:10.1038/ncpendmet0966

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