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クローンウシからヒト抗体

Nature Reviews Cancer

2002年8月1日

いわゆるポリクローナル抗体は、ヒトの免疫系に備わった自然な抗体で、癌や感染症などのさまざまな病気の治療に有望なことがわかっている。しかし、ポリクローナル抗体は人間のドナーからしか得られないために、供給が非常に限られていた。しかも、目的とする抗体を作らせるために危険な抗原をヒトに接種して免疫化するのは、安全なことではない。米国の抗体メーカー、ヘマテック社のJames Roblたちが、血液中にヒト抗体を産生するクローンウシを作成したと報告を寄せている。ヒト抗体を作るのに必要な2種類のタンパク質の遺伝子をもつ合成ヒト染色体を、ウシに導入することによって、このようなクローンウシができたという。これまでにマウスでもヒト抗体が産生されているが、ウシならばもっと大量の抗体を生産できる。ウシからとったヒト抗体が実際の治療に使えるようになるには、克服しなければならない大きな障害がまだいくつもある。たとえば、他のウシタンパク質が入らないよう抗体を精製しなければならないし、ウイルスが混入しないことも確認する必要がある。

doi:10.1038/fake874

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