【栄養】スナック食品をやめられない理由
Scientific Reports
2015年5月14日
スナック食品が食欲をそそるのは、スナック食品に含まれる脂肪と炭水化物の割合が重要な役割を果たしているからだという考え方が明らかになった。これは、小規模なラットの研究から示唆されたものであり、この研究結果を報告する論文が、今週掲載される。ただし、こうした特性が食物の過剰摂取の引き金になるかどうかは分かっていない。
高カロリーの食物、脂肪分の多い食物や炭水化物を多く含む食物は、通常の満腹状態を超えた過剰摂取の引き金となる可能性があり、そうしたエネルギー摂取量の増加は体重の増加につながることがある。それらの食物は、脳の報酬系内の活動を変化させると考えられており、そのことは、ラットにポテトチップを与える研究において観察された。また、スナック食品のエネルギー含量が報酬特性とおいしさの重要な決定要因であり、それが摂取量の増加を引き起こしているという学説も提起されている。これに対して、Monkia Pischetstriederたちは、ラットが特定の食物を非常においしいと感じるのは、エネルギー含量という絶対値ではなく、食物中の脂肪と炭水化物の割合のためであることを明らかにした。
今回の研究では、合計18匹のラットを使った実験が行われ、標準的なラットの餌または(さまざまな脂肪と炭水化物の含有率が設定された)試験食が与えられた。ラットはポテトチップの成分に最も近い食物を最もおいしいと感じ、これが報酬と依存に関連する領域における脳の活動パターンに影響を及ぼすことが明らかになったが、ラットにポテトチップを与えた過去の研究で観察されたほど強い影響ではなかった。従って、摂食行動はスナック食品の別の成分の影響も受けている可能性が高いとPischetstriederたちは結論づけている。
doi:10.1038/srep10041
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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