Research Press Release
【神経科学】カロリーを気にするショウジョウバエ
Nature Communications
2015年4月8日
ショウジョウバエは食物のカロリー量を記憶して、標準的なカロリー量の食物を好むように学習するが、高カロリー食を無理やり食べさせた後は、この好みが失われることが明らかになった。この研究結果の報告が、今週掲載される。
学習と記憶形成は、環境条件が変化し続ける中での生存に必要な基本的過程であるが、代謝の記憶(摂取した食物に関するカロリー情報の記憶)が代謝恒常性の維持に関与しているかどうかは分かっていない。
今回、Dongsheng Caiたちは、ショウジョウバエの研究で、代謝情報の学習と記憶に関与すると考えられる複数の遺伝子といくつかの脳領域を同定した。また、今回の研究では、こうした代謝の記憶が、遺伝的変化や慢性的な過食によって容易に破壊され、ショウジョウバエのカロリー摂取量が増えて、糖尿病様の症状が見られるようになること、そして、脳内の遺伝的経路を遮断すると、代謝の記憶が改善され、過食を防止できることも明らかになった。
また、これと似た代謝の学習と記憶がマウスにも見られ、それが視床下部で起こっている可能性が、Caiたちの予備的研究によって示唆されている。Caiたちは、今回の研究が哺乳類の体重を調節する因子の解明に向けた一歩となることを期待している。
doi:10.1038/ncomms7704
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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