Research Press Release
異なる植物が共に働く
Nature Plants
2015年3月31日
植物の種の豊かさは牧草の収量を高めるが、その収量の安定性は個々の種の遺伝的多様性が高める、という論文が、今週掲載される。
農業システムには、収量を最適化するために植物の多様性を最小化して投入量を最大化するものが多い。しかし、予想外の環境変化に遭遇すると、多様性の低さは生産性の喪失につながる場合がある。
Ivan Prietoたちは、異なる遺伝的多様性のレベルを特徴とする5種の牧草を混合または単独で栽培し、飼料の生産量をモニタリングした。その結果、複数種からなる区画は単作と比較して生産性が高く、特に干ばつの際にそれが顕著であることが明らかになった。しかし、収穫量の安定性が高かったのは、牧草種あたりの遺伝子型の数が多い区画であった。
関連するNews & Viewsのなかで、Forest Isbellは、「気候変動および極端な事象の影響が増加するに伴い、農業システムの多様化が農業の生産性を向上させるための戦略として一層有益なものになる可能性は十分にある」と述べている。
doi:10.1038/nplants.2015.33
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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