【地球科学】雪原を進む溶岩流
Nature Communications
2014年12月17日
アア溶岩とパホイホイ溶岩は、雪原との相互作用が大きく異なっていることが、極東ロシアでの火山噴火の定量的観測によって明らかになった。寒冷地の火山が雪や氷とどのように相互作用するのかを理解しておくことは、危険の軽減と洪水被害の予防にとって非常に重要なこととされる。この研究結果の報告が、今週掲載される。
今回、Benjamin Edwardsたちは、カムチャツカ半島での火山噴火を目撃し、雪原の上下と、雪原の亀裂の中を進む溶岩流の様子を観測した。Edwardsたちは、前進する溶岩流の手前に観測孔を設置して、雪原での溶岩の流れ方、そして溶岩と雪塊の界面での融解の程度を明らかにした。その結果、角ばったアア溶岩が雪原上を進み、融解水が溶岩流下に蓄積したのに対して、滑らかに流れるパホイホイ溶岩は、雪原下と亀裂の中を流れたため、融解水と溶岩の相互作用が起こり、独特な溶岩組織が形成された。
今回観測された火山は、都会から離れた場所にあるが、この観測で得られた新知見は、雪に覆われた火山が人口の多い地域に存在する場合に生じる危険の可能性を調べる上で重要かもしれない。例えば、アイスランドでは、火山活動によって最も頻繁に発生する危険として氷河洪水が挙がっている。また、Edwardsたちは、この新知見が古代の地球における溶岩と氷の相互作用を明らかにする上で役立つという見解を示している。例えば、雪線の後退は、地球の気候温暖期を示している可能性がある。火星の場合には、火山と流体の相互作用の見られる地域に生物が存在していた可能性がある。
doi:10.1038/ncomms6666
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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