Research Press Release

氷のオイロパのプレートテクトニクス

Nature Geoscience

2014年9月8日

木星の氷の衛星であるオイロパには活動しているプレートテクトニクスがあるかもしれないとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。これまで、太陽系の中で移動するテクトニック・プレート網により形成されていることが知られていた天体は、地球だけであった。

Simon KattenhornとLouise Prockterは、2003年まで木星とその衛星を周回していたNASAのガリレオ人工衛星により得られた画像を用いて、オイロパの氷の表面で峰や断裂が縦横に交差した部分の地質学的歴史を再現した。彼らは、表面の一部が2つの氷のプレート間の境界に沿って取り除かれたことを示す証拠を見つけた。著者たちは、この境界では片方の氷のプレートが、もう片方の下にある暖かい氷の層の下に沈み込んだことを示唆している。この過程は、テクトニック・プレートが収束する地域でその下のマントルへ地球の海洋地殻の一部が沈み込む過程と似ており、プレートテクトニクスがオイロパでも活動していることを示唆している。

関連するNews & Viewsで、Michelle Selvansは、「氷のオイロパは我々が知る他のどの天体よりも、岩石の地球とテクトニクス的に似ている可能性がある」と述べている。

doi:10.1038/ngeo2245

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度