【遺伝】クモのゲノムがもたらしたクモ毒とクモ糸の産生に関する新知見
Nature Communications
2014年5月7日
社会性のイワガネグモの全ゲノム塩基配列とタランチュラのゲノム概要配列について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、クモ毒とクモ糸の産生に関わる遺伝子とタンパク質に関する手掛かりをもたらしており、この情報を利用することで、クモ毒の薬理学的応用とクモ糸の生体材料への応用が進む可能性を示唆している。
クモは、生態系において捕食者としての重要な役割を果たしている。クモは、獲物を鎮圧し、捕獲するために毒液とクモの巣を用いることで、最小限のエネルギー費用で、効率的に獲物を捕獲できる。そのため、クモは、昆虫と害虫の集団を防除する上で極めて重要な生物種となっている。今回、Trine Bildeたちは、捕食者たるクモ類についての理解を深めるため、アフリカに生息する社会性のイワガネグモ(Stegodyphus mimosarum)とブラジルに生息するホワイト・ニー・タランチュラ(Acanthoscurria geniculate)のゲノム塩基配列解読とトランスクリプトーム解読を行い、クモ毒とクモ糸のタンパク質について詳細な解析を行った。
その結果、毒液に含まれる毒素のプロセシングと活性化に関係する可能性のあるタンパク質が新たに同定され、クモ糸タンパク質の組成に関する新たな知見が得られた。この新知見は、クモ毒を用いた神経毒と殺虫剤の生産への利用を促進し、クモ糸タンパク質を生体材料用途に利用するための今後の研究にも役立つ可能性がある。
doi:10.1038/ncomms4765
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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