Research Press Release
医学研究:母親の食事が子どものDNAメチル化に影響する
Nature Communications
2014年4月30日
受胎時の母親の食事の違いが、子どもの特定の遺伝子におけるDNAメチル化に影響することが明らかになった。この結果は、母親の食事が、その子のDNAに持続的変化を生じさせ、それが、理論的には、子の発達に影響する可能性があることを示している。この結果を報告する論文が、今週掲載される。
今回、Branwen Hennig、Robert Waterlandたちは、気候変動のために雨季と乾季の食事が極端に変化するガンビア農村部の女性の研究を行った。その結果、この地方の女性が雨季に受胎した乳児が、乾季に受胎した乳児と比べて、研究対象となった6個の遺伝子全部においてメチル化レベルが高かった。そして、母親が受胎した頃に採取した血液から検出されたバイオマーカーを用いて、メチル化パターンを予測できることを明らかにした。
今回の研究では、子どもに生じるDNAの修飾の原因が母親の食事であることが明らかになったが、このDNAの修飾が、子どもの健康と福祉に対する長期的効果につながるのかどうかを断定するには、さらなる研究が必要となる。
doi:10.1038/ncomms4746
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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