Research Press Release
【ナノテクノロジー】銀ナノ粒子を用いた透明スクリーン
Nature Communications
2014年1月22日
銀ナノ粒子によるレーザー光の反射を利用した透明ディスプレイについて報告する論文が、今週掲載される。このディスプレイは、容易に製造でき、視野角も広く、拡張現実感デバイスに利用できる。拡張現実感デバイスは、実際の画像にデジタル画像を重ね合わせることによって、装着者が知覚する現実世界の質を高めている。
銀ナノ粒子は光学共鳴の範囲が狭いため、特定の波長(色)の光のみが散乱し、その他の光にとっては、ほぼ透明に作用する。今回、Chia Wei Hsuたちは、この銀ナノ粒子をポリマー薄膜に埋め込んだ。そして、この共鳴散乱を起こす色に調整されたレーザーを用いて、物体の画像をスクリーニング上に投影したところ、その色の光がナノ粒子によって反射されて画像が見えるようになり、その他の色の光はスクリーンを透過した。Hsuたちは、三原色のそれぞれに敏感なナノ粒子を用いて、フルカラーのディスプレイを作製した。これまでに行われた試験では、単色ディスプレイの性能が良好で、光の散乱による透明スクリーンの背後に置かれた物体の色の変化がわずかであることが明らかになっている。
このポリマー薄膜は、レーザーを使用するために大量消費市場向けの応用が制約を受ける可能性があるが、例えば、自動車や航空機のフロントガラスディスプレイに利用できる可能性がある。
doi:10.1038/ncomms4152
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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