Research Press Release
さまざまなタイプの腫瘍を画像化する
Nature Materials
2013年12月9日
マウスのさまざまなタイプの腫瘍を強調して画像化できるナノ粒子イメージングシステムが、今週のオンライン版に報告されている。
さまざまな遺伝子型と表現型のがんが存在することから、がん診断に広く適用できるイメージング法を見いだすことは困難である。しかし、腫瘍微小環境の共通因子(酸性度上昇、急激な血管増殖など)を検出に利用できる可能性がある。
このたび、Jinming Gaoたちは、pHに非常に敏感な一連の蛍光ナノ粒子を用いて、広範囲のマウスがんモデルにおける腫瘍微小環境内の酸性度と増殖血管系を検出できることを報告している。これらのナノ粒子は、血液循環中は見えないが、酸性環境または新生腫瘍血管に到達すると光る。また、異なる色の色素を導入することによって、さまざまな腫瘍を同時にモニタリングできる。
さらに、Gaoらは、今回のイメージング法で腫瘍を迅速に(静脈注射後1時間以内に)検出でき、非常に小さな腫瘍(約1 mm3)も認識できることを示している。したがって、急性薬物治療後、直接応答を検出することが可能である。
doi:10.1038/nmat3819
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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