Research Press Release
訓練の利点
Nature Neuroscience
2013年8月5日
サルでは、運動課題を長期間練習すると、それに関連する作業についてエネルギー消費が減少するとの研究が、今週オンライン版に掲載される。この結果は、運動の実行や計画に必要とされる神経活動の生成が技術の習得とともにエネルギー面でいっそう効率的になることを示唆している。
Peter Strickらは、1年から6年にわたって10匹のマカクザルを訓練し、タッチパッドのボタンを押すという手を伸ばす作業をさせた。著者らは、サルがしばらくの期間、作業を練習し運動課題の手際がよくなると、脳の運動生起に関わる一次運動野で運動課題を実行するためのエネルギー消費が少なくてすむようになることを発見した。エネルギー消費の減少は神経活動の低下を引き起こすものではなく、外部からの刺激や合図なしに生起した運動に特異的である。
doi:10.1038/nn.3477
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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