Research Press Release
乾燥条件下でイネの高収量を確保する遺伝子
Nature Genetics
2013年8月5日
自然に存在する遺伝子多様体が、イネの根の伸長角度を変えて、乾燥条件下でも高い収量を確保することが判明した。この新知見は、乾燥条件に対する抵抗性の高いイネ系統の開発や干ばつの多い地域での食料の増産に役立つ可能性がある。
今回、宇賀優作(うが・ゆうさく)たちは、一部の栽培イネ系統において、根を長くして、乾燥条件下での水分の取り込みを改善するDEEPER ROOTING 1(DRO1)遺伝子を同定し、その特性を明らかにした。また、宇賀たちは、浅根性のイネ系統にDRO1遺伝子を導入することで、根が深くなり、その結果として穀粒収量が増加して干ばつの被害を回避できることを明らかにした。
doi:10.1038/ng.2725
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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