Research Press Release

食事と依存症のつながり

Nature Neuroscience

2013年7月1日

かねてからII型糖尿病や肥満と関連づけられていた酵素が、マウスにおいてコカイン応答を調整し、脳におけるドーパミンによるシグナル伝達を調節するのにも関わっている。今週オンライン版に掲載される研究により、食物摂取と肥満の調節、および依存症付随行動と脳機能に共通する脳の報酬シグナル経路が明らかになった。

Fto遺伝子はRNAとDNAの脱メチルに働くタンパク質をコードするが、その変異は、ヒトの肥満にとって最も強力な遺伝的素因となる。アルコールの摂取と依存も同様に、Fto遺伝子の変異型に関連している。コカインのような中毒物質への報酬応答を処理する脳の領域を食物とアルコールの摂取が同様に活性化できることをもとに、Jens Bruningらは、マウスの中脳ニューロンでFtoの機能を調べた。遺伝子を改変したマウスを用い、Bruningらはドーパミン作動性 ニューロンの活性とコカインやコカイン類縁薬剤に対する応答行動をFtoが調節することを示している。

doi:10.1038/nn.3449

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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