Research Press Release
最終氷期極大期の海水面
Nature Geoscience
2013年6月24日
約2万年前の最終氷期極大期には海水面は現在よりも130メートル低かったという報告が、今週オンライン版に掲載される。これは以前の研究が示している値よりも10メートル低く、これまで考えられていたよりも多くの水が北半球の氷床に蓄えられていたことを示している。
Jacqueline Austemannたちは、数値モデルを用いて氷の体積と海洋の質量の変化が過去2万年にわたりバルバドスの下の地殻とマントルにどのような影響を与えたかを評価した。これまでのモデルとは異なり、この試みではマントルの応答に対して沈み込み(テクトニック・プレートが他のプレートの下に移動する)が起きる地域での効果を考慮している。彼らは、その結果を用いて過去の海水面変動を珊瑚礁に基づいて再現した結果に補正を加え、最終氷期には現在よりも海水面は130メートル低かったことを示した。
doi:10.1038/ngeo1859
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経科学:AIはブレイン・コンピューター・インターフェースの制御能力を大幅に向上させるNature Machine Intelligence
-
物理学:新たな光ファイバーが通信技術を向上させるかもしれないNature Photonics
-
進化:人間の二足歩行への二つの小さなステップNature
-
社会科学:フランス革命期の「大恐怖」における噂の拡散を可視化Nature
-
古生物学:最古のアンキロサウルスに見られる極端な装甲Nature
-
環境科学:コンゴ民主共和国を侵食する都市部のガリーNature