Research Press Release
【材料科学】光によるメモリの高速化
Nature Communications
2013年6月12日
光を使って情報を読み出す新しいランダムアクセスメモリの試作品が発表された。このメモリは、書き込み速度、読み出し速度のいずれもが抜群に速く、低消費電力と優れた耐久性という特徴を兼ね備えて「ユニバーサルメモリ」の探求における有望な候補となっている。
この試作品は、強誘電体を用いて作られている。強誘電体には、独特な性質があることから、次世代ランダムアクセスメモリの有望な候補となっているが、情報の読み出しに大きな問題がある。これまでの研究では、元の情報を消去することで読み出しを行っていたが、そのためには再書き込み段階が必要となっていたのだ。今回、Junling Wangたちは、光起電力効果、つまり、強誘電体における光による電流の誘導を利用した問題の解決を示した。書き込み段階は、正か負の電圧パルスを用いた通常の強誘電体ランダムアクセスメモリの場合と同じように行われるが、情報の読み出しは、試料に光を当てて行われる。この光によって光電流が生成され、書き込み段階で正と負の電圧パルスのいずれが用いられたのかは、この光電流の偏光方向からわかる。
Wangたちは、このアイデアに基づいて16セルメモリの試作品を作製した。このメモリは、消費電力と耐久性の点で他のタイプのメモリに匹敵しており、速度の点では上回っている。
doi:10.1038/ncomms2990
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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