Research Press Release

ロボット工学:ロボットがマラソンを完走

Nature

2026年9月24日

1回の充電でマラソンを完走できる四足歩行ロボットを報告する論文が、今週のNature に掲載される。このロボットは、人間のランナーたちとともに4時間19分で完走し、充電1回あたりの走行距離が既存のロボットの約3倍に達した。今回の成果は、脚式ロボットの電池寿命の向上につながる手がかりになると考えられる。

脚式ロボットは、山岳地帯や被災地での救助活動を支援する可能性がある。しかし、近年の四足歩行ロボットの進歩は、電池寿命の制約により、約20キロメートルを超える稼働範囲には限界があった。車輪付きロボットとは異なり、脚式ロボットは体重を支えるために継続的にエネルギーを消費する。また、断続的な「歩み」にともなうエネルギー損失を軽減する必要もあり、充電1回あたりの稼働時間が短くなる。

Jemin Hwangboら(韓国科学技術院〔韓国〕)は、ソフトウェアとハードウェアの両面からエネルギー損失の問題に対処するよう設計された四足歩行ロボット「RAIBO2」を発表した。その特徴には、軽量な脚部、最適化を進めたモーター駆動回路、そして機械学習で強化された運動制御規則が含まれる。RAIBO2は、韓国で開催された第22回尚州(サンジュ)マラソンを完走し、4時間19分52秒でゴールした。このロボットは、平均速度毎秒2.64メートルを維持しながら走行した。コースには、標高差286メートルや滑りやすい区間があり、難コースとして知られている。完走時点で、RAIBO2は1280ワット時(Wh)のエネルギーを消費していた。平均総移動コストは0.25だった。総移動コストは、ロボットの重量を考慮した、移動中に消費されるエネルギーの指標である。著者らは、人間の値である0.37を下回る移動コストを達成した四足歩行ロボットは、これが初めてだとしている。著者らは、ロボットのバッテリー総容量が2016 Whであることにもとづき、RAIBO2はさらに25キロメートル移動できたと推定している。このロボットは、充電1回あたりの走行距離において、既存の四足歩行ロボットの約3倍の性能を示している。

本研究の結果は、脚式ロボットの効率向上に関する理解を深めるものである。こうした成果は、稼働範囲の拡大や実用性の向上に役立つことが期待される。

  • Article
  • Published: 23 September 2026

Lee, C., Youm, D., Park, J. et al. A quadruped robot designed to complete a marathon on a single battery charge. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-11102-5

 

doi:10.1038/s41586-026-11102-5

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