生物工学:人工ニューロンを使ってハエトリグサの葉を閉じさせる
Nature Communications
2022年2月23日
人工ニューロンをハエトリグサの生体細胞とうまく相互接続して、ハエトリグサの葉を閉じさせることができたと報告する論文が、Nature Communications に掲載される。今回の知見は、将来のブレイン・マシン・インターフェースやソフトロボティクスの開発に意味を持つ可能性がある。
生体の機能や構造に啓発された神経形態学的電子デバイスは、ヒトの脳の作動方法を模倣する。将来のブレイン・マシン・インターフェース、人工装具、知能ソフトロボティクスの開発では、人工神経デバイスと生体系を組み合わせることが必要になると考えられる。しかし、現在の人工デバイスは、生体適合性が悪く、エネルギー効率が低く、回路が複雑だ。
今回、Simone Fabianoたちは、人工の神経シナプス系を開発して、生体系に接続できるかを調べた。Fabianoたちは、生体系のシグナル伝達特性を非常によく模倣する人工のニューロンとシナプスをプリントした。この人工ニューロンと人工シナプスは、イオンの移動が仲介する電気的なスパイク発火を用いてシグナル伝達を行う。次に、Fabianoたちは、この人工ニューロンをハエトリグサ(Dionaea muscipula)の生体系と相互接続して、この人工ニューロンが、電気刺激に応答して、ハエトリグサの葉を閉じるように誘導できることを実証した。
Fabianoたちは、今回の知見が、将来の埋め込み型デバイスやブレイン・マシン・インターフェースの開発だけでなく、生物体への人工神経系の組み込みを促進するかもしれないと述べている。
doi:10.1038/s41467-022-28483-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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