環境:米国のフラッキング施設周辺で空気中の放射能濃度が上昇している
Nature Communications
2020年10月14日
米国において、非在来型石油・天然ガス開発(通称「フラッキング」)は、油井の風下側の観測点での空気中の放射性粒子の濃度の高さと関連していることを報告する論文が、Nature Communications に掲載される。
近年、米国では非在来型石油・天然ガス開発(UOGD)が急速に拡大している。これらの技術は、いろいろな環境影響と結び付いていることが明らかになっており、地元住民の健康に悪影響を及ぼしている可能性がある。天然に存在する放射性物質は、石油・ガス生産の一般的な副産物だが、UOGDが放射能濃度や空気中の浮遊粒子に及ぼす影響は十分に解明されていない。
今回、Petros Koutrakisたちの研究チームは、2001~2017年に米国全土の157か所の放射線モニタリングステーションで収集された空気中の浮遊粒子の放射能濃度のデータを分析し、これをUOGDの油井15万2904か所の位置および生産記録と比較した。その結果、UOGDの油井の風下側の地域ではベータ線濃度が高く、これは油井から離れるにつれて低下し、20キロメートル圏内にUOGDの油井が100か所増えると、風下側のベータ線濃度が0.024ミリベクレル/立法メートル高くなることが判明した。空気中の粒子放射線への曝露は、健康への悪影響に関連することが知られている。しかし、今回の研究で検出された放射能濃度は比較的低く、UOGDを起源とする浮遊粒子に含まれる放射性物質による健康影響の可能性を評価するためには、さらなる研究が必要となる。
doi:10.1038/s41467-020-18226-w
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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