【惑星科学】木星の独特な磁場
Nature
2018年9月6日
木星の表面から一定の深さまでの磁場のマップについて報告する論文が、今週掲載される。このマップを分析した結果、木星の磁場が、これまでに知られている惑星の磁場とは異なるものと考えられることが示唆されている。
木星の極軌道を周回する探査機ジュノーは、木星の表面近くの磁場の直接測定に初めて成功した。ジュノーの、9周回のうちの8周回の磁場観測結果の分析が最近行われ、木星の磁場に関する新たな参照モデルが得られた。このモデルは、木星の外側に存在する磁場に関してこれまでにない説明をもたらし、木星の磁気圏におけるさまざまなプロセスを解明する上で特に興味深い。木星内部の磁場に関するマップは、その生成過程の解明に役立つと考えられるが、いまだ作製されていなかった。
今回、Kimberly Mooreたちの研究グループは、木星の表面から一定の深さまでの磁場のマップを作成し、それを分析して、木星の磁場がこれまでに知られている他の磁場とは大きく異なっていることを明らかにした。木星の内部では、磁束(空間内の曲面を通り抜ける磁場の流束)の大部分が帯電したダイナモ領域を離れて、北半球の狭い帯域を通り、赤道近くの大青班で木星の内部に戻っていた。それ以外の領域では、磁場がかなり弱かった。また、Mooreたちは、木星の非双極子磁場がほぼ北半球に限定され、南半球がほぼ双極子磁場になっていることを見いだした。Mooreたちは、地球のダイナモとは異なり、木星のダイナモは均一な厚い殻内で作動していないという考えを示している。
doi:10.1038/s41586-018-0468-5
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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