Research Press Release
【ナノ科学】マイクロチップの内部を詳しく調べる
Nature
2017年3月16日
設計内容が分からない集積回路(コンピューターチップ)の高解像度三次元画像を得る技術が実証されたという報告が、今週掲載される。
現代ナノエレクトロニクスの発展によりデバイスのフィーチャーが微細なものとなり、チップが複雑な三次元構造を持つようになったため、非破壊的な方法でデバイス全体の画像を得ることができなくなっている。そのために設計と製造工程の間のフィードバックが不足し、製造、出荷、利用の各段階での品質管理に支障が生じている。
今回、Mirko Hollerの研究チームは、タイコグラフィーX線コンピューター・トモグラフィー(PXCT)という画像化技術を用いて、設計の分かっている検出器用読み出しチップの画像を生成し、この方法によって生成された三次元画像が読み出しチップの設計と一致したことを明らかにした。次にHollerたちは、こうして有効性が確認された画像化技術を用いて、市販のプロセッサーチップの画像を生成した。PXCTの適用前にHollerたちが持っていたこのプロセッサーチップの設計に関する情報は限定的なものだったが、この技術の解像度の高さによって極めて微細な回路構造を得られた。
Hollerたちは、この画像化技術があれば、製造工程の最適化、故障メカニズムの特定、医療や航空などの分野における非常に重要な応用のために購入されたチップの性能確認が可能になるという考えを示している。
doi:10.1038/nature21698
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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